高齢者の座り心地の研究1
 
 

座り心地がいい、悪い、という判断は感覚的で、また個人的なものと思われるかも知れません。しかし、座り心地というものを科学的に実証する方法があったのです。
身体に対する負担が少なければ少ないほど、それは座り心地が良い椅子と言えます。そこで身体と椅子の接触部分の圧力分布をセンサーで数値化することで、身体にかかる負担を見てみたのです。それが右のグラフです。

一方の椅子は、座骨部分に極端に負担(体圧)が集中しています。ほとんどの椅子がこのタイプと考えていいでしょう。私たちでも同じ姿勢で長時間座っていると座骨のあたりがしびれたり、痛くなったりします。身体機能の低下したお年寄りには、これは苦痛以外のなにものでもありません。
しかも、身体を自由に動かすことができない方は、疲れを分散させるために徐々に前にずりさがっていき右上図のような「仙骨座り」になってしまうのです。これがじょくそうや神経痛、円背(えんぱい)などの原因となり、こうなると介護の手がますます必要となってきます。
介護の現場にいる方は、それらの症状が椅子によってもたらされたとは想像もしていないかもしれません。なるだけ離床時間を長くするために椅子に座ってもらっても、結果このような症状が出てくるとすればとても残念なことです。

さて、もう一方の椅子を見てください。お尻から大腿部全体に負担(体圧)が分散しています。これが、私たちが座り心地のいいと感じる椅子です。このような椅子は、長時間座っていても疲れにくいものです。正しい座位も保てます。お年寄りにとっても、まさに日常をケアしてくれる椅子となるのです。

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